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成金作戦

とある夜、一人の男がとてもイライラして、そして落胆しながら家路についていた。
女に振られたのだ。
それも「お金のない男はもうごめんだわ」という別れ文句を言われたのである。
男は決心した。
「よし、彼女を見返すだけの金を手に入れてやる」
早速男はインターネットで金持ちになる情報を集めはじめた。
「まずは、世界の金持ちたちを知ることから始めよう」
男は意外と冷静だった。
やがて何人かの聞いたことのある人物たちにたどり着く。
ビル・ゲイツ。この人は【1人が1台のコンピュータを持つ】というビジョンを実現させた人らしい。たしかこのコンピュータに入っているOSも彼のOSが元になっていると聞いたことがあるな。」
男はさらに調べる。
ウォーレン・バフェット。投資家か。優しそうな顔をしたおじいさんだなあ。堅実な投資法は世界中の投資家たちの手本になっているらしい。オマハの賢人と呼ばれているのか。」
 
その後も何人か億万長者を男は、次の手を考えた。
「世界のお金の分配はどうなっているのだろう」
再びインターネットで調べてみる。
「なに??世界の富のほとんどは、わずか1%未満の人々の手に有り、それ以外の富は、その他の99%以上の人々がシェアしているのか。そんなことがあってもいいのか。」
男は動揺した。
不条理な世の中だと不満を漏らし、金持ちになるのをわずかに諦めかけた。
しかし、ふと考えがよぎった。
「待てよ。それだけの富を独占しているのが、わずかな億万長者ならば、彼らの上手く取り入ることができれば、お金を稼ぐ技術を簡単に盗むことができるかもしれない。億万長者は次元の違う存在だ。彼らに直接教えを請うことがお金持ちになる一番の近道に違いない。」
 
男はさっそくお金持ちたちの連絡先を調べ始めた。
しかし、世界のトップ中のトップの大富豪の連絡先である。
なかなか手に入る代物ではない。
ただ男は諦めなかった。
来る日も来る日も大富豪の連絡先を探し続けた。
そしてようやくある人物の連絡先にたどり着いた。
「ここまでの道のりは本当に長かった。だけどようやく大富豪にコンタクトを取れる。」
男は電話をかけた。
「もしもし。バフェットさんですか」
「はい。そうです。」
「よかった。ぜひアナタに大富豪になる秘訣を教えていただきたいのです。お願いできませんか。」
「はて、私にそのようなことをおしえることができるでしょうか」
「なにを言っているんですか。あなたは世界一の投資家 ウォーレン・バフェットさんじゃないですか!あなたほどの適任者はこの世にいませんよ。」
「いいえ。私はファーストネームは、ウォーレンじゃなく、ビルなんですよ。」